小説
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忘形
忘形 一つ、私と出会ってからこれまでのことを書くこと。 一つ、あなたの思う私をありのままに想像で書くこと。 一つ、あなたの思っていたことをありのままに書くこと…
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神秘日和
神秘日和 春めく風合いの砂浜をひと足先に盗もうとして掬い取ってはみるけれど、まもなく手のひらと指と指との合間から流れ落ちていく。きみはそれを笑いながら器をかぶ…
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サイド
サイド ぼやけた昼下がりに目を細めれば、にわかにアナウンスが鳴りわたる。————まもなく二番線に、電車が到着します。プラットフォームには少しばかりの緊張が走る…
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ハロー、モーニン
ハロー、モーニン 目を開けたまま迎えた朝は夕方よりもお腹が空いている。夜がな椅子に座っていただけなのだけれども、人間という生き物は、起きているだけで体力を消耗…
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クイーン・スレプト
クイーン・スレプト 風に巻かれて街は色を変えていきます。擦り切れながら影は揺らめいています。陽に覆われて手は色を失っていきます。焼き付けながら瞳は乾き切ってい…
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カーテン
カーテン からだの中は青みがかっている。底の見えない青が覆いかかっている。流された木の重力が下から這って出てくる。枕に預けた頭蓋にはビイ玉くらいの窪みがあって…